どうしてエンジニア?
前回も書きましたが、さしたる志があったわけでもなく家電メーカーを就職先としたのですが、そもそも、大学で学んだ学科がそのような学科だったんですね。その理由はともかく、学部、学科を絞り込んでいく中でたどり着いた学科だったんですね。
学生時代は勉強もそこそこに、かといって何かに夢中になっていたわけではないんですが、何故かプログラミングは、それなりに楽しさを感じることができたということもあり、その方向で就職先とその中でのプログラミング担当を希望しました。
希望がかない配属されたのがテレビを製造販売する事業部でした。そこで私の担当はテレビに組み込まれてテレビの回路を制御するためのマイコンの設計でした。まだテレビにマイコンが搭載されて間もない時期で、1人で1つのモデルのマイコンの設計を担当する体制でした。といっても、私と同じ担当は、他にもう一人、私より5年先輩の人がいただけです。
ですから、大げさな話、2名で全世界夫々の地域毎のテレビに搭載するマイコンの設計を担当しました。とはいっても、テレビのモデル数に比べて、搭載するマイコンのラインナップは、かなり集約されてましたので何とか対応できる作業量であったと記憶しています。
学生時代は、技術計算を行ったりシミュレーションを行ったりするためのソフトウェアは理解していましたが、機器を制御するためのマイコンという概念は全くなかったため、最初は、ワンチップマイクロコンピュータの概念を理解するのにとても苦労していたように記憶しています。
なかなか、人には聞きづらいですよ。「マイコンの概念がわからない」「どうしてマイコンでテレビが制御できるのか」とか仮に聞いたところで期待する答えが返ってくるようにも思えない。
ひたすら調べまくりました。インターネットなんてありませんでしたから、本屋に行ったり、図書館に行ったりして調べまくり、他方で会社では、実務で使用するマイコンのマニュアルを読み込む日々。こういう時は、自分で納得できるまでやることですね。
そんなことで日々を費やしている中で、実務でもマニュアル読みから、実際にプログラムを書いて、動かしてみるようになります。そうこうしているうちに、自分で悩んでいたことがいつの間にか消えていったことに、気が付く、といった感じでしょうか。
これって、おそらく、どんな技術や新たな概念に対する理解を行う上でも同じようなプロセスを通るのではないかと思います。
ちょっと、長くなってしまったので、続きはまた、次回書きます。